同居相手は黒猫くん





   *   *   *










遂にやってきた文化祭当日。






思えば道のりは長かった。




皆で一から作り始めて、やっと完成したこの喫茶店。


失敗して泣いたり、頑張って汗を掻いたり、成功して笑ったり…




気付けばクラスの絆が深まっていて。





私、このクラスで良かったなって…——









「そんな寒いこと言ってないで仕事しなさい馬鹿者」








ビシッと頭にチョップが入る。


犯人はみっちゃんだ。








「ちょ、ちょっと昨日観たドラマっぽく言ってみただけだもん」



「そんなこと聞いてません。仕事しろ」











はい。



ただいま絶賛午前の部の仕事中です。


私は接客をすることになっている。








「柴咲のうさぎ可愛いなー」









垂れ耳の犬のコスプレをした佐久間くんが私を見て言う。


私はうさぎのコスプレなのだ。











「あ、ありがとう…!佐久間くんも似合ってるね!」








すごく。



なんか佐久間くんって愛嬌あるし明るいし、犬みたいだよね。











「あれ、刹は?」



「ああ刹ならあっちで無理矢理着替えさせられてるよ」







皆の意見により、刹も接客することになったのだ。


「刹は絶対接客な」

「お客増えるし」


とのことで。



…まあその本人は最後まで嫌がってたみたいだけど。