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遂にやってきた文化祭当日。
思えば道のりは長かった。
皆で一から作り始めて、やっと完成したこの喫茶店。
失敗して泣いたり、頑張って汗を掻いたり、成功して笑ったり…
気付けばクラスの絆が深まっていて。
私、このクラスで良かったなって…——
「そんな寒いこと言ってないで仕事しなさい馬鹿者」
ビシッと頭にチョップが入る。
犯人はみっちゃんだ。
「ちょ、ちょっと昨日観たドラマっぽく言ってみただけだもん」
「そんなこと聞いてません。仕事しろ」
はい。
ただいま絶賛午前の部の仕事中です。
私は接客をすることになっている。
「柴咲のうさぎ可愛いなー」
垂れ耳の犬のコスプレをした佐久間くんが私を見て言う。
私はうさぎのコスプレなのだ。
「あ、ありがとう…!佐久間くんも似合ってるね!」
すごく。
なんか佐久間くんって愛嬌あるし明るいし、犬みたいだよね。
「あれ、刹は?」
「ああ刹ならあっちで無理矢理着替えさせられてるよ」
皆の意見により、刹も接客することになったのだ。
「刹は絶対接客な」
「お客増えるし」
とのことで。
…まあその本人は最後まで嫌がってたみたいだけど。

