と、私はそこで目を疑った。
「室谷先輩っ」
ファミレスの出入り口付近で、友達らしき人と立っていた室谷先輩。
まさかと思ってよく見たけど、室谷先輩に間違いはない。
皆は「え!?」と驚いて私の視線の先を追う。
そこで室谷先輩が私達に気付いた。
先輩は笑顔で手を振りながらこちらに向かって来る。
「わぁ偶然だねー。比乃ちゃん私服かわいー」
いきなりそんなことを言ってくる先輩に、私は何も言えず顔を赤くした。
すると隣に座る刹がテーブルの下で私の靴にトンと触れた。
刹の方を向くと、刹は私を見ずに先輩を睨んでいた。
「あれ、もしかしてダブルデート?」
何かすごい勘違いをしている先輩に、私は慌てて訂正した。
「ち、違いますよっ。普通に遊びに来てるんです」
「へぇー」
皆を見渡しながら言う室谷先輩。
そこで先輩は佐久間くんに目を止めた。
「あれ、健斗じゃん」
「こんちはっす!先輩は何しに来てんすか?」
爽やかな笑顔で尋ねる佐久間くん。
そういえば佐久間くんは先輩と同じサッカー部だったっけ…。
「ん、俺は友達と部活のもんとか買いに来てるだけー」
あちらの方に目をやると、先輩の友達数人がテーブルで楽しそうに話している。
チラチラとこちらを見ては指を差しているようだ。

