せ、刹に聞こえちゃいそう…。
心臓の音が!
「……なんか比乃固い」
「うぇっ!?」
「何?緊張してんの?」
刹は私の顔を見る。
ドキリと胸が跳ねた。
き、緊張っていうか…。
「し、してない」
「ふーん?」
と、
また刹は私の脇腹をくすぐってきた。
「んばっ!!」
「ブッ(笑)」
肩を震わせて笑う刹。
も、もぉぉ…!
「ほんとにくすぐるのなしっ!」
「えー?」
そう言ってまた笑い出す刹。
こ、このぉー…!
私もいつか仕返ししてやる…!!
「…刹の馬鹿」
「比乃には言われたくないって」
「もうっ!」
意地悪!!
と、刹はまた柔らかく微笑んだ。
「…ね、キスしていい?」
……は!?
「な!?え、なんで!?」
「いいじゃん」
「だ、駄目駄目!」
「えー?じゃあ「キス準備OK?」とかだったら良かった?」
「いやそういう問題じゃなくて!!」
私は慌ててベッドから降りた。
刹は私を見上げて溜息をつく。
「じゃ、じゃあまた明日ねっ」
「はいはーい」
ヒラヒラと私の顔を見ずに手を振る刹。
私はそのまま自分の部屋に駆け戻った。

