そういえば
もう刹と普通に話せてるな……。
〝比乃なんか好きじゃない〟
正直言ってすごくショックだった。
刹は何かとこうやってくっついてくるから、急に引き離された時にすごく辛くなる。
姉として、刹に好かれたい。
それが私の本音かも…。
「……」
「…比乃?」
刹は上目遣いで私を見ながら、顔を近付けた。
黒い前髪が私の鼻にかかる。
私は思わず笑ってしまった。
なんか、飼い主に甘えてる猫みたい。
「何…?」
「刹可愛いね」
「……は?」
「可愛いって言ったの」
「…それ褒めてるつもり?」
「え?いや、ただ普通に…そう思って…」
「可愛いとか比乃に言われたくない」
刹はムスッとした顔でそう言うと、私を再びぎゅっと抱き締めた。
て、ていうか…
さっきから近すぎ…!!
「えっ!?」
「あー比乃可愛い」
刹はそう言いながら抱き締める力を強くしていく。
く、苦しいからっ!
と、
「えい」
刹は突然私の脇腹をくすぐり始めた。

