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放課後の閑散とした廊下…夢ではここで、大原を見かける事になっている。

まだ時間的には少し早いのだが…。


そう考えて苦笑する。


あんな事、現実に起こる訳ないのに。


目が覚めた時から、状況は全然違うじゃないか。

医務室には居ないはずの結城先生がいたし、高村がカバンを持ってきてくれる場面に出くわしたわけでもない。

時間もズレているし、僕は教室にも行っていない…。

なのに、どうしてこんなにも気になるのだろう?

あの夢が……………。


「……」


僕は真っ直ぐに職員室へ向かおうとして、すぐ横にある階段を見上げる。


どうやら、この階段を上らなければ僕の気は済まないようだ。


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