「出来たぞ」 「……ありがと」 そう言って見上げた佑真は、手のひらを見つめてじっと何かを考えていた。 「佑真……?」 やっぱり準決勝を前に、緊張してる……? ……当たり前か。 あたしだって昨日はなかなか眠れなかったもん。 「なんでもねー」 佑真はそのままあたしの顔を見ずに、グラウンドへ出て行った。