「瑠依…」 佑真があたしを見つめる。 恥ずかしくて俯くと、髪を掬うようにして添えた佑真の手が、顔の輪郭をゆっくりなぞっていく。 指が、唇に触れた。 今までボールを握っていた佑真の手は少し土の匂いがして。 思わず笑みを零しながら、もう一度顔をあげた。 「キス…していい…?」 「…うん」 夕陽に照らされながら、あたしたちは初めてのキスを交わした。