だって、こんな展開になるなんて夢にも思ってなかったんだもん。


呼吸をふぅーと整える。


佑真の誤解を解かなきゃ…そう思うのに、胸がいっぱいで……


「あたしもっ……ずっと……ずっと……っ……佑真だけっ……うっ…」


溢れだす想いに負けそうになる。


言葉を必死で繋ごうとするあたしに、佑真がそれに合わせて首を盾に振る。



「佑真だけを……見てきたっ…。

……好きだよ……佑真……」



全部言い終えると、佑真が力いっぱいあたしを抱きしめた。



「マジ……?」


「うんっ……」



ガッチリしてるはずなのに、その胸は不思議とやわらかくて、心地よい体温であたしを包む。





「だからっ……」




……言ってもいいよね…?




「甲子園に……連れてって……」




自分の気持ちは押し付けないと決めた封印を解いた。




「ああ、約束する。

明日、しっかり見ててくれよ。俺史上、最高のピッチングをするから……」



佑真の決意が、あたしの胸に響いた。