――父さん? そして、この声は佑真……? あたし、もしかして佑真の家に運ばれたの……? ……サイアク、だ……。 足音が近くなって、すぐ側まで来ている気配を感じた。 どんな顔していいかわからなくて、目を開けられないでいると 「バカはどっちだよ……」 ふいに佑真が呟いた。 ますます目を開けるタイミングを逃し、あたしは目をつむったままでいた。 「風邪ひくだろ、この強情女」 呆れるように。でもトーンはすごく優しくて。 突き放すような声しか聞いてなかったから、今はどんな言葉だってうれしい。