「このままだったら…野球部のみんなと心中することになっちゃうんだよ?
みんなの為に今まで黙ってたけど……今度は……みんなの為に言わなきゃいけないの…っ…
……佑真は……佑真は……もう甲子園に行けなくてもっ………」
まだ涙のたくさんたまった目で、エビ君を見つめた。
「ほんとにそれでいいのか?今言えば、増田さんのされたことが一気に全校生徒に知れ渡る可能性だってあるんだぞ!」
「こんなときにあたしの心配なんてしないでよ!」
あたしは髪を振り乱して叫んだ。
あたしはどうすれば良かった?
事件のあとすぐに学校に言っていれば、そこで終わる問題だったかもしれない。
エビ君の言う通り、部員が関わってない以上、寛大な措置が取られたかもしれない。
あたしがちゃんと佑真に相談していれば……
佑真が……退部することなんて……きっとなかった。
あたしはこの時初めて気づいた。
あたしがしてきたことは……あたしの自己満足に過ぎなかったんだ…って。



