あたしの否定だけじゃ終わらなかったらしく、さくらの尋問は続いていた。
「噂が流れるくらいでしょ。そういう事実はあったかって聞いてんの」
なぜかさくらはニヤニヤしている。
「やっ…」
「だって、実はエビが瑠依のことを好きで、強引にとかなくも――」
「ストーップ!」
変な妄想を抱き始めたさくらの思考をぶった切った。
「そんなわけないでしょ!
…そのときね、新しいボールをとりに行ってたんだけど立ちくらみがしちゃって。たまたま着替えに戻ってたエビ君が間一髪で支えてくれただけ」
言うならば、事故だ。
エビ君には散々迷惑かけてるのに……変な噂まで……勘弁してよ……。



