「そだ、早く戻らなきゃ!」 そう言って勢いよく立ち上がった途端、視界が暗くなった。 あっ……倒れるっ……。 「……やっぱ無理してんでしょ」 倒れる寸前でエビ君に抱きとめられたみたい。 感じたのは柔らかい腕だった。 「平気平気。急に立ったから立ちくらみしただけ。ははは」 軽く笑ったあたしに、エビ君は無表情で言った。 「無理に強がらなくてもいいだろ」 「強がって、なんか……」