「あ、あたしここでいいですっ!」
もうどこでもいいから降ろして欲しくて。
すると車は路肩に停止した。
エンジンが落とされて、車内が無音の世界になる。
停まった場所は、公園の脇だった。
鯉の泳ぐ池があったり美術館が併設されていたりと昼間は賑わう大きな公園だけど、この時間は人影もない静かな場所。
それが余計に恐怖心をあおった。
「ありがとうございました……」
とにかく、この息苦しい空間から抜け出したい。
シートベルトを外して、ドアを開けようとしたとき。
「……ッ…」
「まだ降りんなよ」
真横からスッと腕が伸ばされた。



