……ヤダ。
なんだろう、この雰囲気。
さっきの目線と口調に、なんだかおかしな空気を感じて落ち着かなくなる。
「あ、先生…あたしの家あっち…」
車の進行方向が家と逆だって気づいたのはその時だった。
確実に右に曲がらなきゃいけない交差点を、左に進んでいたから。
家の場所はちゃんと告げて、ナビだってセットしたはずなのに……。
「ちょっとしたドライブだよ」
西川先生が呟く。
「………」
今までと違う低い声に、自分の中で警笛が鳴った。
……こんな時間にドライブなんて。
あたしは咄嗟にドアに手を掛けていた。



