恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~


―――…


練習はさらに厳しくなっていった。


早朝に始まり、放課後は9時近くまで練習は続いた。



「佑真、ありがとね」


ある日の練習終わり。


制服姿に戻った佑真に、あたしは駆け寄った。


改めて、きちんとお礼とお祝いが言いたかったから。


「ん?お前から礼言われるとか、明日は雨か?」


「真面目に話してるんだよ。ほんとありがとう、甲子園行きを決めてくれて」


それでも真面目に続けたあたしに、佑真は数秒の間をおいて言った。


「アーホ。瑠依と一緒に掴んだんだろうが」


大きい手が、あたしの頭の上に優しく落ちる。