「瑠依!聞いてんのか?」 佑真があたしの肩に手を置いて体を揺さぶる。 「う……うん……」 だけどあたしは直立不動のまま、小さな声しか出ない。 「なんだよその薄い反応!甲子園出場が決まったんだぞ!」 「…ほんと……に……?」 「ほんとにほんとだっ!」 佑真の声が、どこか遠くで聞こえた。 まだ夢の中にいるみたいで現実のものに出来ない。 「俺達の夢、叶ったんだよ!」 くしゃくしゃにした佑真の顔から白い歯が零れ落ちた。