「お嬢、やっぱりそうなのか~」 いつかの仕返しのつもりなのか、三浦先輩までニヤニヤする。 「変なこと言わないでくださいよ!」 なにがやっぱりなの!? 三浦先輩も気づいてた!? 部員にバレるとか、こんな恥ずかしいことはない。 しかもエビ君から佑真に何か吹き込まれたらそれこそ大変だ。 あたしは平静を装って、持ってきたテキストを机の上に広げる。 「ここです!何の呪文なのかさっぱり分かりません!」 恥ずかしさを隠すように、苦手な数学Aの公式を三浦先輩に突きつけた。