「…だって……いきなり猫が暗闇からにょきって現れて……怖かったんだもん…」
「瑠依の方がある意味ホラーだったけどな、クックックッ……」
収まらない笑いを吐き出しながら、また洗濯カゴからユニフォームを手に取る佑真。
逆にあたしは笑えもせず、黙々と洗濯物を干していく。
濡れたユニフォームをつかむ指先が、夜風に吹かれて少しひんやりする。
真夏でも、高原の夜はやっぱり涼しいらしい。
「………」
佑真がここに居るってことは、もうさっきの子への返事をすませてるんだよね。
1年半後の彼女との約束、しちゃったのかな。



