だけど、それなら彼女になれる可能性はグンと上がるだろう。
高校時代は野球に専念……は嘘じゃなくても、高卒でプロに入れるなんて奇跡でも起こらない限りない。
ということは、きっとどこかの大学に行くはず。
……その中で彼女を作らないなんて、実際はあり得ないだろうから。
「はい。早瀬先輩を好きな気持ちは誰にも負けません。もし……好きな人がいないなら、卒業したらあたしと付き合って下さいっ…」
眩暈が、しそうだった。
だって、これなら佑真も断る理由がないかもしれない。
"言ったもん勝ち"
完全にあの子にしてやられたと、敗北感に打ちひしがれていると。
―――え…?
あたしの目に、何かが映った。



