「ごめんな。俺、今は野球に集中したいから彼女は作らないんだ」
………。
ホッと胸をなでおろす反面、本当に誰ともつき合う気がないと改めて知らされて、それはそれで複雑だった。
本当に申し訳なさそうに答えた佑真からは、彼女の告白を決して軽んじてるわけじゃないことが分かる。
だからこそ、余計に。
「じゃあ、卒業したらいいですか?あたし卒業式まで待ちますから!」
「……卒業式まで?」
そんなことを言われると思ってなかったのか、佑真の声は少し面食らっているように思えた。
あたしも、同じだった。
1年半先の彼女の予約をするなんて、考えたことなかったから。



