―――…
「忘れ物ないかもう一度チェックしてきてくれる?」
「はい」
彩子先輩にそう言われ、あたしは一度後にしたロッカールームに再び戻った。
ドアを開けたあたしの目に飛び込んできたのは。
「………あ」
忘れ物……なんてものじゃない。
「……佑真…」
乱雑に着た制服姿で、ガックリと肩を落としたままの佑真がそこにいた。
もうみんな出払ったと思っていたのに。
「あの……」
感傷に浸ってるところ、声を掛けるのもためらわれたけど。
時間に制限もあって、いつまでもそうしているわけにはいかないのも現実だった。



