恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~


今年は……期待が大きすぎたんだ。


勝ち進めば進むほど、その負けの悔しさが大きくなる。


だけど甲子園への道はそんなに甘いものじゃない。


ピッチャー一人の責任じゃない。


4番の責任でもない。


これは、みんなで戦った結果なんだ。



「お前らと一緒に野球が出来て……本当に楽しかったし幸せだった…うっ……ありがとう」


普段は涙なんか見せないようなキャプテンの言葉にみんなが号泣した。


「果たせなかった俺達の夢はお前らに託す!」


「はいっ!」


1、2年生が涙ながらに声を揃える。


「次こそ、甲子園への切符を掴んでくれ!」


「はいっ!!」




佑真だけが、泣いていなかった。