「うっ……うっ……」 3年の先輩が、声を殺して泣いている。 この夏最後のロッカールーム。 土で汚れた腕をいとわず、涙をぬぐう先輩。 普段陽気な三浦先輩も、目を真っ赤にしていた。 すごくいいチームだった。 このチームでもう試合出来ないなんて、まだ現実を受け止められない。 あと一歩のところで、手のひらから消えた甲子園。 夏はまだ始まったばかりなのに、あたしたちの夏は終わってしまった。 「集合」 キャプテンの一言で、みんなが重い腰を上げた。