3番手は11番を背負った3年生の先輩。
ピンチの場面で、この夏初めての登板。
「ピッチャーの交代をお伝えします……1番ピッチャー早瀬君に変わりまして……」
佑真はこの夏、初めてベンチへ下がった。
――ガンッ!
戻るなり、佑真はグローブをベンチに叩きつけた。
「――っ」
あたしにはその行動が信じられなかった。
佑真は、今も昔も変わらず道具を大事にしていた。
少年野球時代、足元に転がっていたバットが邪魔で、足で転がしたらものすごく怒られた。
『道具を粗末にするやつは野球をやる資格がない』
それからあたしも佑真を見習って、道具を大事にしようって心に誓ったんだよ?
その佑真が、自身の分身ともいえるグローブを……。



