「――お願いっ!」 コントロールはバッチリだったが…… 「あぁぁぁ……」 進塁を許してしまった。 書きたくないけど、盗塁が成功した事実をスコアに記す。 「落ち着いてこー!」 後方からナインは声を掛ける。 続くバッターはショートゴロに打ち取った。 だけど。 ――カキーン。 「えっ……!」 次のバッターにはシングルヒットを許し、これで1、3塁になってしまう。 エビ君は手のひらを地面に向けて、佑真に落ち着けと伝える。 焦った様子はなく、至って笑顔で。