私の言い付けを守ろうと立ち上がった兄貴は、サイフを片手に外へと飛び出した。

 さぁて、兄貴が出掛けている間、私は好きなことをしよーっと。

 何がいいかなぁ……。

 ルンルンとした気分で、私は自分の時間を過ごすことにした。

 あっという間に時間は経っていき、兄貴がビニール袋を片手に帰ってきた。


「深奈~。これでいいかー?」

「んー?……」


 手渡されたビニール袋を漁り、中身を確認する。


「……まあ、いいんじゃない?」

「そっか」


 兄貴はへへっと嬉しそうに笑い、自分の部屋へと戻っていく。

 またリカコさんと電話でもするのだろうか。

 ……まあ、いいか。今回はこれくらいにしておいてあげる。