☆
7月30日、夜。
今年も無事に祭りが終わった。
とりあえず今晩は境内のテントやイス、それからゴミの片づけを手早く終わらせる所までやったので、きちんと清掃するのは翌早朝ということになる。
「あー、疲れた」
秋文はゴロリと畳の上に寝転んだ。
埃と汗まみれで風呂に入りたかったが、一度こうやって横になるとしばらく起き上がれそうにない程、体が疲れていた。
学校やバイトでさえも、こんなに体力は使わないというくらい心身ともにヘトヘトだった。
(何で20代に入った途端、こんなにも疲れを感じるんだろうな…)
去年と同じことをしているはずなのに、疲れの度合がかなり違う。
(確実にオヤジへの階段を登り始めてるんだよな、これってきっと)
自分の考えが悲しくなってきて、秋文はタメ息をついた。
そのままぼんやりと天井を眺めていると、ふと相田の顔が浮かぶ。
(あいつ、どうしたんだろ…)
あれほど乗り気だった彼は祭りの期間、とうとう秋文の家を訪ねてこなかったのである。
それどころか、何の連絡もないままだ。
普段、大雑把な性格のわりにそういうところはマメで、ダメな時にはキチンと連絡をしてくるのだが…何か、特別な事情でもあったのだろうか。
何だか気になる。
「!!」
と、彼の前に突然、ぬっと缶コーヒーが差し出された。
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7月30日、夜。
今年も無事に祭りが終わった。
とりあえず今晩は境内のテントやイス、それからゴミの片づけを手早く終わらせる所までやったので、きちんと清掃するのは翌早朝ということになる。
「あー、疲れた」
秋文はゴロリと畳の上に寝転んだ。
埃と汗まみれで風呂に入りたかったが、一度こうやって横になるとしばらく起き上がれそうにない程、体が疲れていた。
学校やバイトでさえも、こんなに体力は使わないというくらい心身ともにヘトヘトだった。
(何で20代に入った途端、こんなにも疲れを感じるんだろうな…)
去年と同じことをしているはずなのに、疲れの度合がかなり違う。
(確実にオヤジへの階段を登り始めてるんだよな、これってきっと)
自分の考えが悲しくなってきて、秋文はタメ息をついた。
そのままぼんやりと天井を眺めていると、ふと相田の顔が浮かぶ。
(あいつ、どうしたんだろ…)
あれほど乗り気だった彼は祭りの期間、とうとう秋文の家を訪ねてこなかったのである。
それどころか、何の連絡もないままだ。
普段、大雑把な性格のわりにそういうところはマメで、ダメな時にはキチンと連絡をしてくるのだが…何か、特別な事情でもあったのだろうか。
何だか気になる。
「!!」
と、彼の前に突然、ぬっと缶コーヒーが差し出された。
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