授業が終わり、教室の掃除をしている時も、私の胸のモヤモヤは消えなかった。


「美雪、本当にどうしたの?何か六限目からおかしいよ?」


今週の教室の掃除当番は、私と留美子、健司とあゆみ。


「授業中に居眠りするなんて美雪らしくないよね。寝不足?」


頭がボーッとしていて、あまり動いていない私に留美子とあゆみが声をかける。


健司を見てみると、黙ってうなずいている。


「うん……なんかさ、ポケットに変な物が入ってて、ちょっと見てくれる?」


本当は、六限目が終わった後に気付いたんだけど、それらを教卓の上に出していく。


ハンカチ、ボールペン、ネクタイピン、ヘアピン、携帯電話に制服のボタン、後は……ガムの包み紙。


「うっわ……何この携帯、いったいいつの時代の?」


あゆみが不思議そうにその携帯電話を手に取り、開いてボタンをカチカチと押し始める。