暫く海岸で遊び、永太の家まで戻る。
「永太、やーいいーハンドクリーム知らねーらんみ?最近てぃー荒れ酷くて困っちょるんだしよ。」
「あー、それなら、カタツムリエキスの入ったやつがオススメですよ。」
…………だ、か、ら!昼休みのOLか!なんなの、私いないときの自然交流委員会の会話、女子力高いんだよいちいち!
まだ私達の帰宅に気付いていない二人に、雅治がそーっと近寄る。
「わっ!!」
そして、澪ちゃんに向かって大声で叫び、肩をぽん、と叩くと、触られた澪ちゃんは勿論、大声にビックリしたらしい永太も揃ってビクッと体を震わす。
「「マブヤァー!」」
そして、謎の呪文を二人で唱えた。
「貴方達、帰ったならただいまくらい言いなさいよ、驚いた。」
「いったー、やったーが無防備んかい話してたから、つい。」
「ただいま。ところで、まぶやぁって何?朝のくすけー的なやつ?」
悪戯っ子雅治は気にすることなく永太の隣に座り、私も続いて澪ちゃんの隣に座った。
「やれやれ、騒がしいですね。」
「無邪気やっさー。」
あー、この、のほほーんとゆったり流れる空気感にも、だいぶ慣れたなぁ。



