「いやー、綺麗だったなぁー!」



海の散歩も終わり、にぃにぃに水中カメラでレポート用の写真も収めて貰ったし、今日のミッションはコンプリート。



折角だからと、雅治と海辺で遊んでいて、今は、小さい頃やっていた砂の山に棒を立てて崩した方が負けのあれをやっている。



「へへ!当たりメーだしよ。海やわったーうちなーんちゅぬ誇りやっさーからね!」



「雅治は、ホントに沖縄が大好きなんだね。」



あまりにも自慢気に笑う雅治が可愛くてそう答えると、雅治は更に嬉しそうにターコイズブルーの瞳を細めた。



「まぁ、最近うちなーぬ海くらい気に入ったもぬがあんしが。」



「何?………うわわっ!」



いつの間にか砂の山に器用に出来上がっていた穴から、ぬっと手が伸び、私の手首を掴み引っ張る。



体勢を崩して、前のめりになったかと思うと………



『ふにゅっ』と頬っぺたに柔らかい感触と共に、頭上から『カシャッ』と機械音が響いた。



「うりー、見て!悠莉とチュー写メゲットだしよ!」



その無邪気な笑顔に、怒る気力も湧いてこない。



「もう…そういうからかい良くないよ!胸キュンすんじゃん!」



「んー…わん、けっこう本気ってばやぁ。」



私が手で潰してしまった山をペンペン、と整えた雅治が悪戯っ子みたいに笑うから、やっぱり怒る気なんておきなかった。



あーもー、イケメンってズルいや。