それを被り、青の世界へ溶け込むと、さっきまで肌に感じていた太陽のピリピリから解放される。



代わりにひんやりとした柔らかな温度に包まれ、視界が、思っていたよりも優しい青いっぱい。



コンコン、とヘルメットを叩かれると、空間と同じ、優しいターコイズブルーがこちらを覗いていた。



そのターコイズブルーの持ち主の雅治が、ゆるり、と水中で動作し、指を指した先には………。



「す………スッごぉぉい!お魚さんいっぱい!」



小さな熱帯魚達がふわふわと泳いでいる。ペットショップのアクアリウムの中に、自分がいるみたい。



この感動を何て表現していいか、ホントに困っちゃうくらいに胸いっぱいで。



「お姫様、こちらへ。」



ヘルメット越しに雅治がそう言ったのが、こもっていたから小さかったけど聞こえて。



差し出された手を握った私は、正真正銘、お姫様みたい。



「でーじ、うじらーさんさぁ、悠莉は。」



はしゃぐ私の隣で、王子様が満面の笑みを浮かべた。



世界は、幻想的なターコイズブルーと、それに差し込む、太陽の光でキラキラで、不思議な色みを帯びていた。