「にぃにぃとばっかりしらける!」



「えっと……しらける、はこっちの言葉で?」



「俺とばっか話すなってさ。雅治が妬いてるし、そろそろ行こうか。」



流石お兄ちゃん。剥れる雅治をよしよし、と慣れた手付きで撫でると、小さな船へと歩き出す。



「ねー、ビキニだけど、潜るの大丈夫なの?」



「体験するぬやマリンウォークやっさーから、化粧も崩れねーらんしわりと自由だしよ。」



へぇ、イメージしてたのはタンク背負って潜るあれだったけど、違うんだ。



一体、どんな体験が出来るんだろう。



この先に待つ、絶対素敵な光景に、私の心臓がドキドキし始める。



「悠莉!」



ぐい、と雅治に右手を握られ引かれ、私はビビッドブルーの青の世界に、一歩踏み出した。