水着に着替え、ビーチサンダルで海岸へ出ると、膝丈の黒のピッチリした水着に、引き締まった上半身を覆うように防水パーカーを羽織った雅治が既に待っていた。



ウェイクボードで毎日焼いているとは思えない白い肌、そして見事なまでの細マッチョに思わず見とれてしまう。



雅治は私に気付き、目を見開くとダーッと駆け寄ってくる。



「やー、栄養摂取しはるぬみ?細っ!」



「わりと大食いなんだけどすぐ出るから。胃下垂だし、ガリガリなんだよね。」



昔から、細くていいねーなんて言われるけど、モデルさんみたいなメリハリがあるわけじゃないから、太りたいくらいなもん。



「宴ぬ時もかめーたぬんかいな。体質ぬーがな。」



私の胸の下のうっすら見える肋骨を見つめながら、雅治はうんうん、と頷く。



これでエロい箇所見てたら『この変態!』とか言えんのに、魅力ないな、私のガリガリボディーめ。



「腕も握ったら折れてしまーいーヤンヤー。」



雅治のゴツゴツの大きな手が私の二の腕をガシッと掴む。



「いぎゃっ!急に触んないで!ビックリするじゃんか!」



「わ………ワッサイビーン。」



うちなーぐちで『ごめんなさい』を意味する『ワッサイビーン』を言い放った雅治は、手を離し目的地へスタスタ歩き始めた。