澪ちゃんに外に連れ出され、炎天下の中、陽射しにじりじり焦がされる。
「ちゅーや、てぃーだががんじゅーやっさー。」
「ん?『てぃーだ?』って?」
まだうちなーぐちが100分の1くらいしか分からない私は、澪ちゃんに尋ねる。
すると、その無表情でも優しい顔が、空に向かってくん、と伸びた。
「太陽のことだがぁよ。今日、太陽、元気。」
標準語に直すのに慣れてない澪ちゃんが、単語でそう言い換えてくれると、その意味に、思わず笑ってしまう。
「ぬぅがんばやーよ?」
「いや、擬人法だなって。」
その答えが納得いかなかったのか、首をゆっくりと横に倒す澪ちゃんに、なんだか甘酸っぱい感情が芽生える。
だって、澪ちゃんが太陽をおてんばな子供みたいに例えるから、可愛いなって思ったんだもん。
「澪ちゃんは可愛いねぇ。」
「どっちが。うじらーさんぬや悠莉だしよ。イナグーやし。」
そういう可愛いとは違うんだよって説明は面倒だから、私は小さく『うん』と相槌を打った。



