「大体、貴方の目的は澪じゃないでしょ?」



「いや、まぁそうですけど。それは言わなくても分かるじゃないですか。察して下さいよ永太さん。」




「ノロケですか?俺の目の前でいちゃついてご覧なさい。二人仲良く鼻の穴に星砂を詰めてやりますからね。」



さ……されてたまるかァァ!何!?永太先生、今日の鬼畜は鼻攻めですか!?



ギャーギャー騒ぎながら空港を歩いていると、あの夏の日より短くなった髪の毛を揺らしながら待つ、懐かしい顔。



「うわー!!澪ちゃん、久しぶり!」



澪ちゃんと会うのは、春休みに東京に皆で遊びに来てくれて以来だから、約半年振りになる。



よくよく思えば、永太が大学進学を決めていて寝床の確保が出来てたから遊びに来れたんだ。何故あの時鬼畜の上京を読めなかったのだろう。



「雅治は来てないんですか?」



「あー、実習あんみたいで現地集合やっさー。」



すっかりベリーショートになった髪の毛をわしゃわしゃと掻きながら、だけど変わらないゆったりとした口調で澪ちゃんが答える。