その後も二人で満足行くまで海遊びをした私達は、ビチョビチョなまま山入端邸へ。
雅治に会いに行ったのは11時くらいだった筈だから、5時間くらい遊んでいたらしく、タンホイザーの再演だった澪ちゃんも、バイトに行ってた永太も既にそこにいた。
「全く、貴方達バカじゃないの?これが本物のバカップルですよ、澪、反面教師になさい。」
「だーるなぁ。フォローぬさびらがねーらん。」
永太はともかく、澪ちゃんにまでやれやれポーズをされてしまった私達は、へらへら、と苦笑いをかます。
「ま、でも、幸せそうだからいいんじゃない?」
「かりゆし、雅治、悠莉。」
呆れながらも私達のことを祝福してくれる永太や澪ちゃんに、私は嬉しくなり飛び付く。
「ちょっと!離れなさいよ!俺達まで濡れるでしょ!」
「悠莉!俺以外のいきがに触んな!」
「あー、腹へったさぁ。」
私は雅治を選んだけど、やっぱり皆でいれる時間も愛しい。大事にしたい。
きっと、私が常夏の楽園で過ごしたこの時間は、三人が照らしてくれるから、色褪せることは無いだろう。



