「何？言って欲しいの？」



「いや…そ、そういうことじゃなくてさ。」



クソクソ。甘々鬼畜モード発動しやがって。この永太は苦手だ。対応に困る。



「貴方が俺を好きになってくれたら、言っても構いませんよ。……さて、あのお子様達とはぐれる前に合流しましょうね。」



耳にちょん、と優しく口付けた永太は、とっとと私から離れて、先に行ってしまっている澪ちゃんと雅治の方へ颯爽と歩き出す。



「な…………何だあれ、色気駄々漏れじゃんよ。」



私は口付けられた右耳を掌で覆って訳の分からない感想を述べた。



ああやって、いつもの鬼畜と甘々を使い分ける永太と、いつもはゴーイングマイウェイなのに欲しいときに欲しい行動を取ってくれる澪ちゃん、いつも真っ直ぐに裏表なく気持ちを伝えてくる雅治。



誰も選ばないなんてきっと無理。三人とも魅力的で、離れたくない存在。



でも………誰を選べばいいの？私は誰のことが一番好きなんだろう。