「ねぇ、私の知ってる沖縄の曲とかもうちなーぐちで歌えたり出来るの?」



「ん?ぬーぬ曲み?」



興味本意で後ろに尋ねると、雅治がそわそわ、と肩を震わし聞いてくるのがミラー越しに見える。



「涙そうそうとか。」



「あぁ、夏川りみが歌っちょるぬ聴いたくとぅあんからいけるよ。」



なんて簡単な返事を返した雅治が、三線を鳴らし、歌い始める。



「なちかしアルバム、みくてぃ。かふうしどーんでぃ、くとぅばかき、いちんいちまでぃんちむぬ内、くくるかきゅるあぬひとぅゆぅ…。」



標準語で慣れ親しんだ曲を、うちなーぐちで雅治が優しいテノールボイスで紡ぐと、優しさと切なさが増す。



やっぱり、うちなーぐちって何か良いなぁ。