永太のオープンカーで、うだる暑さを感じながら美ら海水族館にむかう。
「ちゃーびらさい、ちゃーびらぁ、今年やいっぺーにふぇーでーびる、にふぇーでーびる!」
「寄ゆる年とぅむ、ゆたしく御願え御願えさびらぁ!」
オープンカーのトランクに積んであった三線を勝手に使い、賑やかに歌う澪ちゃんと雅治。
「「ハ、ハ、ハ、ハイヤイヤサッサー!」」
澪ちゃんの重低音の美声と、雅治の明るいテノールボイスが楽しそうにメロディーを紡ぎ、私をうきうきさせる。
うちなーぐちの歌詞だから、意味は殆ど分からないけど、楽しいのは二人の陽気な歌声から伝わる。
「永太、これ何の曲?」
「ちゃーびらさいですね。りんけんバンドという沖縄のグループの曲ですよ。」
永太も答えつつ、その陽気な二人に合わせて小さく鼻歌でハミングしている。
沖縄って色んな曲があって面白い。明るい歌も勿論、教訓めいたものや泣けるものまで、そりゃもう様々。



