「仲良しねー、皆。」



「悠莉やわんぬやしがね!」



澪ちゃんママの言葉に即座に返したのは雅治で、そんな雅治の顔の下半分を永太が瞬きする暇もなくわしづかみしている。




「いつ君のになったのかな?」



「あ………あがぁぁ!」



あれ絶対握力全開で握ってるよね、痛いやつだよね、近くで聞いたらミシミシ骨が軋んでるやつだよね。



「あんまー、いってちゅーん。」



流石ゴーイングマイウェイの澪ちゃん、この状況でも平気でママに挨拶してスタスタと外に歩き出し始めている。



その後を雅治を掴んだまま着いて行く。



「ありがとうございました!」



私も澪ちゃんママに頭を下げ、皆に着いて行こうとくるりと180度回転。



「あ、悠莉ちゃん。」



「はい?」



しかし、澪ちゃんママに呼び止められたので首だけ振り返ると、ママの綺麗な顔が私の耳元にスッと寄ってきた。



「悠莉ちゃんは三人の中で誰を選ぶの?それとも、誰も選ばないの?」



「え…………えぇ!?」



やっぱり、大人の女性だから見ただけで私の人生最大のモテ期が分かるのかな?



「悠莉ちゃんが澪を選んでくれるなら、私も大歓迎よ。………さ、いってらっしゃい!」



ニコニコ笑う澪ちゃんママに、思考がフリーズしている私は背中を押され外へ。



「何してるの!早く行きますよ、悠莉。」



私は、残り少ないこの時間の中で三人の中の誰かを選ばなきゃいけない。



澪ちゃんママの言葉により、それが私の目の前に現実的なものになってしまった。