朝10時の開店と共にお店についた私達は、当たり前だけど一番乗りのお客さん。



美容室は大きくはないけど、白の空間に3つ席が設けられていて、小物や備品は茶色で統一されたシンプルで清潔感の漂う内装。



従業員は、見習いの若いお兄さんと、スタイリストのお姉さん、それからオーナーの澪ちゃんママの三人。



っていうか………澪ちゃんの、ママ!



「いらっしゃいませ!相変わらずカッコいいねー永太君も雅ちゃんも!こっちの子は悠莉ちゃん?あらー、細い子ね、可愛いわ!」



「ひばりちゃんも、イチ見ても美人やっさー!」



「あらやだ雅ちゃん、おやつあげようか?」



カラカラと陽気に笑う澪ちゃんママは、澪ちゃんそっくりの濃い顔で垂れ目の長身スレンダー美人さん。



雅治がお世辞を言ったわけではなく、ホントにガチの美人。こりゃ澪ちゃんもイケメンに生まれるわけだ。



接客業をしてるだけに標準語も綺麗だし、性格もかなりさっぱりしていていい人そう。



「ひばりさん、澪は?」



「あー、まだ寝てるかも。上にいるから起こしてあげてよ。…ささ、君達はこっちね!」



永太を上の階のお家へ上げた澪ちゃんママは、私と雅治の二人をシャンプー台へ促した。