「雅治の地毛、染めなくても可愛い色なんだねー。」



「ヤシガ、染めねーらんと見た目外国人っぽさが増すからにーりたんわけよね。」



成る程ね。外国人のおじいちゃんの血を強く受け継いだ雅治は、見た目は日本人離れしている。



染めるにしてもこの明るい地毛だと暗い色は合わなそうだし、この銀髪に落ち着いたんだ。



その異国の王子様みたいな見た目をコンプレックスだと思ってる雅治だから、尚更地毛は嫌なのかも。



「じんとーや、永太みたいなチュラサンな艶々ぬ黒髪とい、黒いみーといが良かったんやしがなー。」



「無いものねだりですね。俺だって、君の海中より綺麗な目とか、焼けない白い肌とか羨ましいですがね。」



むーっと口を尖らせた雅治と、その尖った唇をむにっと摘まむ優しい表情の永太は、そりゃもう目の保養になりますな。



「さ、そろそろ行きましょうね。」



「「はーい!」」



車のキーを持って立ち上がった永太に元気な返事を返した私達は、早速澪ちゃん家まで向かうことにした。