澪ちゃんと雅治をそれぞれ家へ送り届け、車内には私と永太の二人。



「永太、今日は楽しかったよ。」



「それはあの二人に後日言っておあげなさいな。」



その言葉にふるふる、と首を横に振ると、永太がミラー越しに私を見る。



「だってさ、私も、澪ちゃんも雅治も、エイサー踊ってる永太を追ってる時が一番楽しかったから。」



その答えに、永太がふふ、と小さく笑う。



「それはどうも。……ところで、悠莉、貴方今日、浴衣ですね。」



「うん。おばぁが着付けしてくれたんだよ。」



……もしや、『貴方浴衣似合うじゃないの』とか言って褒めてくれるやつ?ぐふふ。



思わず次の言葉を聞く前ににやけると、永太も薄い唇を吊り上げて笑う。