憧れの…




「幸也、私のこと女に見える?」


「はぁぁ?」



何言ってんだ、こいつ
みたいな目で見られる。




「ったりめーだろ?じゃあなにか、俺は男に告白したっていいてーのか?」


「そ…そうじゃなくて……」



これを言って…
返答によっては私…
ショックを受けるかもしれない。






「今まで…こうやってふたりっきりで部屋にいたりしたけど…何もなかったじゃん?
今だって…そうだ…し…」


「………」


「私…ほら、可愛いこと言えないし…、いつもどおりで甘い雰囲気出せないし…」


「……」


「それに……むぐっっ!?」


俯いて話していると、いきなり顎を掴まれ顔を上げさせられると、シフォンケーキが口の中に突っ込まれた。



「はぃしゅんにょよー(なにすんのよー)!!!」



人が勇気出して言ってんのに。





「お前がバカなこと言ってるからだろ?」



幸也は最後のひとかけらのシフォンケーキに生クリームをたっぷりつけ、頬張りながら睨んでくる。