「やっぱおばさんのケーキは最高だな〜」
もう何度入ったかわからない幸也の部屋。
ちなみに、エロ本がどこにあるかだって私は知ってる。
幸也はそのこと知らないだろうけど。
「お前…ほんと女らしく食わないな」
大口を開けて、幸也ママ特製のシフォンケーキを食べる私を、呆れたように幸也は見る。
「失礼だなー、仮にも彼女だぞ」
「仮にも彼女なら彼氏の前では女らしくしろよ」
「今更私が女らしくしたってびっくりするくせに」
「まぁそうか」
「そうだよ」
あー…
私ってば可愛くない。
シフォンケーキに添えられたら生クリームをフォークで掬いながら、今日の友達との会話を思い出す。

