いつもどおり。
軽いやりとり。


物心ついた時にはもう隣にいた彼。
要するに幼なじみという関係だったのだが。


つい最近、彼女という立ち位置に昇格した。

周りから見たら付き合ってるも同然だったらしく…



嫌いじゃないし
むしろずっと一緒にいて苦にならないのは、幸也ぐらいなわけで。



一週間前から関係は恋人に変化したのだが、私たち自身に変化はなく。


付き合ったばかりの恋人同士とは程遠い会話を繰り広げている。





「聞いてる?」


「あぁ、ごめん何?」


「相変わらずボケてんな〜」


軽く笑いながら半歩先を歩く幸也を見る。


足が出るタイミングは一緒なのに歩幅が違う。



今まで別に気にしたことなんてなかったけど、やっぱり私は女で、彼は男なんだなーって思う。