驚いた拍子に私は彼女の腕を揺すって声をかけてみた。
「あつっ…」
ビックリするくらい、白川さんの腕は暑かった。
白川さんの意識は、きっと朦朧としている.
自分で立ち、歩くことが困難だろう。
そうとはいえ、この辺に教師がいない。
私の所の異常に気づき始める周りの女子たち。
かといって行動しようとする人は、1人もいない。
このまま彼女を放っておくこともできない。
私は倒れた白川さんをおぶった。
そして保健の先生がいる所まで歩いていく。
テントにいる人たちは唖然としている。
そして歩いていると近づいてしまう、選手の元に。
一大事を察している人は少なくないだろう。
ようやく白川さんの異常に気づいた先生は、私の元に駆けてくれている。
「どうしたんだ?」
体格のいい先生が焦りながら、私に質問した。
「見ての通り、この子が…
日射病で倒れたんです。
今すぐ保健室に連れて行ってあげないと…」