あれはあれで可愛い、とクラスの男子たちは笑っていたけれど、私のことをあまり知らない生徒たちは驚きを隠すことさえしなかった。

 
その日一日、一年生の間の話題は私のことで持ちきりだった。

 
―全校集会でよく表彰されてる江ノ島さんが、茶髪にしたらしいよ。スカートも超短いの。

 
その噂は翌日には他学年にまで広まり、先輩たちが教室にまで覗きに来た。

 
元々良い意味で有名だった為、誰も面白半分に扱う人はいなかった。

 
文芸部に顔を出した時も、先輩たちから叱責されはしなかった。

 
私に盲目的な先輩の一人は、「元々都会的な顔立ちだから、茶髪にすると一層華が出たね。」と私の髪を触りたがった。