【高村side】


「隼人、実は父さん

また転勤が決まった」


そうやって言われたのは仁菜の家に行って

幸せを実感した後だった。



「今回は、1週間後には、ここを出る予定だ」



その声はとても遠く、だけどハッキリと耳に届いた。



ーー
ーーー。



仁菜に別れを告げた後、

俺は一人で学校に向かうと、ついたらすぐ井上に話しかけられた。


「ちょっと、話いいか?」


その表情は真剣で、いつものおちゃらけた様子は無かった。