「ねぇ、私さぁ昨日……」 チラリと彼を見る。 「あ?」 「高村の彼女になったんだよね?」 あまりにも普通過ぎて 夢じゃないことを確かめるため、聞いてみると 「違えーの?」 なんて普通の顔をして聞き返された。 …………うん。 もう、いいや。 夢じゃなかったってだけでいいよ!! 「ううん、違くない」 そう言ってお弁当箱を自分のヒザの上に広げると 高村はすぐに私のお弁当からひょいっと卵焼きを取ってきた。 「うめ、」 「あ」 そんな言葉だけで嬉しくなってしまう私。